「腰を曲げたから腰痛になった」は本当でしょうか?


~腰を守るために本当に大切なこと~
「腰を曲げると腰を痛めますよ。」
「前かがみは腰に悪いですよ。」
そんな話を聞いたことがある方は多いと思います。
そのため、腰痛を経験すると、
- 床の物を拾うのが怖い
- 靴下を履くのも慎重になる
- 前かがみになるのを避ける
という方も少なくありません。
もちろん、痛みが強い時には無理をしないことも大切です。
しかし、現在の腰痛研究では、
「腰を曲げること」そのものが腰痛の原因とは限らない
ということが分かってきています。
腰痛は一つの原因で起こるものではありません
例えば、
長時間デスクワークをしている方。
運動する時間がほとんどない方。
睡眠不足が続いている方。
仕事や家庭でストレスが多い方。
少しずつ体重が増えてきた方。
これらは、一つひとつでは大きな問題ではないかもしれません。
しかし、こうした生活習慣が何年も積み重なることで、身体は少しずつ動きにくくなり、筋力や柔軟性、回復力も低下していきます。
そして、ある日、
床の物を拾ったとき、
子どもを抱っこしたとき、
洗顔で前かがみになったとき、
その動きが「きっかけ」となって痛みが出ることがあります。
つまり、
本当の原因は、その動作だけではなく、それまで積み重なってきた身体の状態だった可能性が高いということです。
腰は「守る」だけでは元気になりません
痛みがあると、
「なるべく動かない方がいい。」
と思ってしまいます。
でも、必要以上に身体を動かさない生活を続けると、
- 筋力が落ちる
- 関節が硬くなる
- バランス能力が低下する
- 疲れやすくなる
という変化が起こります。
すると、
「動くと痛い」
↓
「動かない」
↓
「さらに弱くなる」
という悪循環に入ってしまいます。
近年の腰痛ガイドラインでは、多くの腰痛に対して、できる範囲で日常生活を続け、身体を動かすことが勧められています。
腰に必要なのは「安静」ではなく「適応力」
腰は、とても丈夫な構造です。
ただし、
同じ姿勢を続けたり、
動く機会が少なくなったりすると、
少しずつ動きへの適応力が低下してしまいます。
だから腰に必要なのは、
「動かさないこと」
ではありません。
- 呼吸がしっかりできること
- 股関節が動くこと
- 胸郭が広がること
- お腹や背中の筋肉が協調して働くこと
- いろいろな姿勢に対応できること
こうした身体全体の機能です。
ピラティスが大切にしていること
ピラティスでは、
「腰だけを鍛える」
という考え方はあまりしません。
呼吸を整え、
背骨をしなやかに動かし、
股関節や肩甲骨との連動を高め、
全身が協調して動ける身体を目指します。
そうすることで、
腰だけに負担が集中しにくくなります。
だから私たちは、
「腰を守るために動かない」
のではなく、
「どんな動きにも対応できる身体を育てる」
ことを大切にしています。
腰痛になると、
「どんな動きを避ければいいですか?」
という質問をよくいただきます。
もちろん、痛みが強い時には一時的に負担を減らすことも必要です。
でも、本当に大切なのは、
「何を避けるか」ではなく、
「どんな身体を取り戻したいか」
という視点です。
身体は、適切に動かし続けることで変わっていきます。
腰痛をきっかけに身体を怖がるのではなく、
身体を知り、少しずつ動ける身体を取り戻していく。
それが、長く元気に過ごすための一番の近道だと、私は考えています。
まずは体験!














