ピラティスブームのその先へ――これから生き残るスタジオとは

ピラティスブームのその先へ――これから生き残るスタジオとは

この先、ピラティスを含めたフィットネス業界は、どうなっていくのでしょうか。

今、ピラティスはとても人気があります。

街を歩けば新しいスタジオができ、マシンピラティスの広告を目にすることも増えました。

市場が広がり、多くの人が運動や自分の身体に興味を持つことは、業界に長くいる者として、とても嬉しいことです。

でも一方で、これから先は決して簡単ではないとも思っています。

物価が上がり、可処分所得が減っていけば、人は「何にお金を使うのか」を今まで以上に考えるようになります。

食費や住居費、光熱費など、生活に必要なものは簡単には削れません。

そうなったとき、フィットネスやピラティスのような「なくても生活できるもの」は、見直される可能性があります。

さらに、これだけスタジオが増えれば、

「ピラティスだから」

「マシンがあるから」

というだけでは、選ばれ続けることは難しくなるでしょう。

では、私たちはこれから何を提供していけばいいのでしょうか。

私は、一つの答えは**「インフラ化」**ではないかと思っています。

もちろん、電気・ガス・水道と同じ意味ではありません。

でも、

「ここに通うことが、私の生活には必要」

と思っていただける存在になることです。


「運動をする場所」から「なくてはならない場所」へ

お客様がスタジオに来られる理由は、身体を動かすためだけではないと思っています。

腰や肩に不安があり、

「ここに来れば身体を見てもらえる」

と思ってくださる方もいるでしょう。

一人では運動を続けられないけれど、

「ここに来れば運動できる」

という方もいます。

そして、

「先生に会うのが楽しみ」

「ここに来るとホッとする」

「なんとなく居心地がいい」

ということも、とても大切だと思っています。

私は、スタジオが一つの「居場所」になることも、とても大切だと思うのです。

ここに来れば安心。

何かあれば相談できる。

自分の身体のことを分かってくれている人がいる。

これは、長い時間をかけてつくられる信頼関係なのだと思います。

でも、「楽しい」「居心地がいい」だけでは十分ではありません。

私たちは身体を扱う専門職だからです。

お客様からお金をいただいている以上、その金額に見合う仕事をする責任があります。

だから、

安心できる。
楽しい。
そして、ちゃんと身体を見てもらえる。

そのすべてが必要なのだと思っています。


私たちは「形のないもの」を販売している

ピラティスやパーソナルトレーニングは、とても不思議な商品です。

私たちが販売しているものには、形がありません。

洋服なら、買った商品が手元に残ります。

レストランなら、料理が目の前に出てきます。

でも、レッスンが終わったあと、お客様の手元に「もの」が残るわけではありません。

しかも、価格を決めるのはこちら側です。

もちろん相場はありますが、ある意味では私たちの「言い値」です。

そして、その価格に価値があるかどうかを判断するのは、お客様です。

形がない以上、その判断には主観も大きく関わります。

「身体が楽になった」

「動きやすくなった」

「ここに来ると調子がいい」

「この先生なら任せられる」

「この時間には、この金額を払う価値がある」

そう感じていただいて、初めて私たちのサービスの価値が成立するのだと思います。

だからこそ私は、形のないものを販売する仕事ほど、誠実でなければならないと思っています。


いただいたものを、またお客様へ返していく

私のスタジオには、たくさんのピラティスマシンがあります。

でも、最初からすべて揃っていたわけではありません。

少しずつ増やしてきました。

スタジオに利益が出れば、またマシンを購入する。

新しいマシンが入れば、それによってできることが増えます。

同じエクササイズでも、ある方にはリフォーマーより別のマシンのほうが分かりやすいことがあります。

身体は一人ひとり違うからです。

だから、設備を増やすことは単なるコレクションではありません。

お客様からいただいたものを、またお客様に還元するための投資だと考えています。

経営ですから、もちろん利益を残すことも必要です。

でも、その利益の一部を使って環境を整え、できることを増やし、またお客様へ返していく。

マシンは目に見えます。

だからこそ、

「皆さんからいただいたものを、私たちはこういう形でもスタジオに戻しています」

と示すことのできる、一つの分かりやすい事実でもあると思っています。


私にとって、自分のトレーニングは「仕入れ」

そして、もう一つ、私はずっとお金を使い続けているものがあります。

それが、自分自身のトレーニングです。

資格を増やすことが目的ではありません。

自分の身体のために、この人と想っている先生から指導を受けます。

自分が動く。

教えてもらう。

できないことを経験する。

試行錯誤する。

身体が変化していく過程を経験する。

もちろん、その中から多くのことを学びます。

そして、その経験が、またお客様を見るときに戻ってきます。

「あのとき、自分もここが分からなかった」

「こう言ってもらったときに身体が変わった」

「この方法なら、この方にも伝わるかもしれない」

自分の身体を通して経験したことは、単に本を読んだり資格を取ったりすることとは、また違う学びになります。

私は、これも私たちの仕事にとってのある意味「仕入れ」だと思っています。

飲食店なら、良い料理を提供するために食材を仕入れます。

私たちには、目に見える食材はありません。

だからこそ、

動くこと。
教えてもらうこと。
学ぶこと。
経験すること。
考え続けること。

それらが私たちにとっての仕入れなのではないでしょうか。

そして、仕入れたものを自分だけのものにするのではなく、目の前のお客様への指導として還元していく。

私は、その循環を止めないようにしたいと思っています。


価格を決めるのはこちら。でも価値を決めるのはお客様

だから私は、「高いか、安いか」だけで考えないようにしています。

大切なのは、

「いただいている金額に見合う仕事をしているだろうか」

ということです。

価格を決めるのはこちらです。

でも、その価格に価値があるかどうかを決めるのは、お客様です。

だからこそ、こちらが「私にはこれだけの価値があります」と言うだけではいけないと思っています。

設備に投資する。

自分自身もトレーニングを受ける。

学び続ける。

一人ひとりの身体をきちんと見る。

そして、その日、その方にできる最善を考える。

そういう姿勢を積み重ねる。

その姿を見て、お客様自身に、

「ここは、私が払っている金額に見合うだけのことを、きちんとしてくれている」

と感じていただけること。

それが大切なのだと思います。


最後に残るのは「信頼」なのかもしれない

マシンは購入できます。

きれいな内装も作れます。

価格も真似できます。

エクササイズも、今ではSNSや動画を開けばたくさん見ることができます。

でも、簡単には真似できないものがあります。

それは、

お客様との間に積み重ねてきた時間と信頼です。

「私の身体を分かってくれている」

「今日はいつもと違う、と気づいてくれる」

「ここに来れば安心できる」

「この先生なら任せられる」

そして、

「ここに来るのが楽しみ」

と思っていただけること。

それは一日ではつくれません。

広告費をかけても買うことはできません。

一人ひとりのお客様と向き合う中で、少しずつ積み重なっていくものです。

だから私は、これからの小さなスタジオが、大手と店舗数や価格、広告量で競争する必要はないと思っています。

むしろ考えるべきなのは、

「このお客様にとって、私たちのスタジオはどれだけ必要な場所になれているだろう」

ということではないでしょうか。


ピラティスブームの、その先へ

今のピラティスブームがいつまで続くのかは分かりません。

また違う運動が流行るかもしれません。

さらに安いサービスが登場するかもしれません。

AIや動画などによって、運動指導の形も変わっていくでしょう。

でも、人の身体が一人ひとり違うことは変わりません。

そして、人は身体だけで生きているわけでもありません。

だからこそ、

専門性。
信頼関係。
安心できる居場所。
楽しさ。
そして、それに見合う仕事をし続ける誠実さ。

これらを積み重ねていくことが、これからますます大切になるのだと思っています。

「運動を提供する場所」から、

「健康を維持するために必要な場所」へ。

そして、

「ここがあるから安心」

と思っていただける場所へ。

お客様からいただいたものを、設備や学び、自分自身の経験に変え、またお客様へ返していく。

その循環を続けること。

派手ではありませんが、私はこれからも、そんなスタジオでありたいと思っています。

身体に絶対の正解はありません。

今日の内容も、現場で学び続ける私自身の一つの視点です。

「ピラティスは、するものではなく、生きるもの。」

「ピラティスは、動きを学ぶことではない。身体との対話を育てることである。」

まずは体験!

本格派マシンを使ったピラティスをしてみませんか?

ピラティス体験レッスン

スタジオピラティスリムーブは、完全予約制!
あなたのための あなただけのスタジオです。

運動が苦手な方でもマシンを使うことで、からだの補助的役割をしてくれ、「ものさし」となり正しい可動域の中で無理なくトレーニングすることが出来ます。

オンラインレッスンも体験できます

オンラインレッスン体験

お申込はこちらから

Instagram



Instagram でフォロー