「私の身体、まだまだいける。」

― ピラティスで、自分の身体の可能性を見つける ―

私がピラティスを続ける理由

― 身体を知ることは、自分の可能性を知ること ―

長くピラティスを指導していると、ときどき考えることがあります。

「私にとって、ピラティスとは何だろう?」

たくさんのエクササイズがあります。
リフォーマーやキャデラックなど、さまざまな器具があります。
姿勢を整えたり、筋力をつけたり、身体の不調を予防したり。

もちろん、それらもピラティスの大切な一面です。

でも私にとってピラティスは、もう少し違うところにあります。

それは、

自分の身体を知り、自分と対話し、自分の中にまだある可能性を見つけていくこと。

私は、そんなものとしてピラティスを捉えています。

私自身、自分の身体がよくわかりませんでした

私は長い間、運動指導に携わってきました。

身体を動かすことは好きでしたし、運動もしてきました。

それなのに、自分の身体については、

「なぜ、うまくできないんだろう」

「なんだかギクシャクする」

「なぜ、ここを痛めてしまうんだろう」

と思うことが何度もありました。

運動ができることと、自分の身体を理解していることは、同じではなかったのです。

私の中には、ずっと「なぜ?」がありました。

そんな私がピラティスに出会いました。

ピラティスをすると、すべての答えがすぐにわかるわけではありません。

でも、

「もしかしたら、ここが動いていなかったのかもしれない」

「ここを頑張りすぎていたのかもしれない」

「こうすると、こんなに楽に動けるんだ」

身体を動かす中で、自分の「なぜ?」を考えるためのヒントが少しずつ見つかっていきました。

そして、私にとってもっと大きかったことがあります。

「私の身体は、まだ変われる」

と思えたことです。

昨日できなかったことが、少しできる。

今まで感じなかったところを感じる。

身体の使い方が少し変わる。

そんな小さな変化が、

「まだまだやれる」

という自信につながりました。

だから私は、ピラティスに出会ってよかったと思っています。

ピラティスは、特別な時間だけのものではない

私にとってピラティスは、生活の中にあるものです。

調子のいい日もあれば、なんとなく身体が重い日もあります。

疲れている日も、気持ちが落ち着かない日もあります。

そんなとき、

「今日はどうなんだろう」

と身体に問いかけてみる。

動いてみる。

呼吸してみる。

そして、自分の状態に気づく。

ピラティスは、身体を鍛えるだけでなく、自分自身と会話する方法の一つなのだと思います。

だから私にとっては、特別なトレーニングというより、ライフスタイルの一部になっています。

私がレッスンで見ているもの

レッスンでは、もちろん姿勢や動きを見ています。

でも、一つの筋肉や一つの関節だけを見ているわけではありません。

どこが動いているのか。

どこが安定しているのか。

どこか一か所が頑張りすぎていないか。

呼吸はどうなのか。

そして、私は表情もよく見ています。

難しそうなのか。
怖そうなのか。
一生懸命になりすぎていないか。
それとも、気持ちよく動けているのか。

身体は、部品の集まりではありません。

すべてが関係し合っています。

そして、その身体を動かしているのは一人の「人」です。

だから私は、身体の一部分だけではなく、その人全体を見たいと思っています。

人はみんな違う。そして、今日と昨日も違う

ピラティスを長く指導するほど、強く感じることがあります。

それは、

人の身体は、教科書通りにはいかない

ということです。

同じ年齢でも違います。

同じような姿勢に見えても違います。

同じエクササイズをしても、感じ方も反応も違います。

そして同じ人でさえ、昨日と今日では違います。

だから、

「この人には、この運動」

と簡単に当てはめるのではなく、

「今日、この人には何が必要なのだろう?」

と考える。

それが、私のレッスンの出発点です。

私が考える「変化」

ピラティスを始めると、姿勢が変わったり、動きやすくなったり、今まで難しかったことができるようになったりすることがあります。

もちろん、そうした目に見える変化は嬉しいものです。

でも私は、それだけを変化だとは考えていません。

「さっきより楽」

「いつもと違う」

「ここって、こんなふうに動くんですね」

「今までずっと力を入れていたことに初めて気づきました」

そんな小さな気づきも、とても大切な変化だと思っています。

なぜなら、気づくことで初めて、人は別の方法を選べるようになるからです。

私は、お客様の身体を私が「変えてあげる」とは考えていません。

変化するのは、その人自身です。

私はそのためのきっかけをつくりたい。

指導とは「エスコートすること」

私が考える良い指導を一言で表すなら、

「エスコート」

という言葉が一番近いと思います。

先に立って方向を示すこともあります。

横について一緒に進むこともあります。

必要なら、少し手を貸すこともあります。

でも、本人の代わりに動くことはできません。

私がイメージするのは、小さな子どもが少し怖い滑り台を滑ろうとしている場面です。

危なくないようにそばにいる。

必要なら手を差し出す。

でも、自分でできそうなら手を出しすぎない。

「大丈夫。ここにいるよ」

そんな距離で見守る。

そして最後には、自分でできるようになる。

ピラティスの指導も、それに近いと思っています。

先生がいなければ何もできない身体にするのではなく、

自分自身で身体を感じ、考え、動けるようになること。

そのために私はそばにいたいと思っています。

形をつくるためだけのピラティスではなく

ピラティスには、エクササイズとしての形があります。

基本を学ぶことは、とても大切です。

でも、私は形だけを完成させることが目的だとは思っていません。

「なぜ、この動きをするのだろう?」

「この器具は何を助けてくれているのだろう?」

「この人には、今このエクササイズが本当に必要なのだろうか?」

そんなことを考え続けています。

観察する。

考える。

試してみる。

身体の反応を見る。

そして、また考える。

私にとってピラティスの面白さは、そこにあります。

「ピラティスの本質」を問い続けたい

私は、「ピラティスのことなら全部わかっています」と言える人になりたいとは思っていません。

むしろ、

「ピラティスとは何なのだろう?」

と、これからも問い続けていたいと思っています。

長く指導していても、新しく気づくことがあります。

学ぶ先生によって違う視点があります。

そして何より、お客様の身体から教えてもらうことがたくさんあります。

だから学び続けます。

でも、新しい知識や新しいエクササイズを増やすことだけが目的ではありません。

学んだことを、

「目の前にいるこの人に、どう役立てるのか」

そこまで考えることが、私の仕事だと思っています。

私がピラティスを通して届けたいもの

身体が思うように動かないと、

「年齢だから仕方ない」

「私は身体が硬いから」

「運動が苦手だから」

と思ってしまうことがあります。

でも、身体には自分がまだ知らない可能性が残っているかもしれません。

少し見方を変える。

少し動き方を変える。

自分の身体について、一つ新しいことに気づく。

そこから身体との関係が変わることがあります。

私自身が、ピラティスからそれを教えてもらいました。

だから今度は、私がそのきっかけを届けたい。

自分の身体を知ること。
自分の身体と対話すること。
そして、自分の身体の可能性を見つけること。

ピラティスを通して、

「私の身体、まだまだいけるかもしれない」

そう思っていただけたら、とても嬉しい。

人を私の考える正しい身体に変えることではなく、

その人自身が、自分の身体の可能性を見つけていくこと。

その過程をそばでエスコートする。

それが、私がピラティスを続け、指導している理由であり、私がこの仕事をする意味なのだと思っています。

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