ピラティスを深めるということ

「クラシカルとコンテンポラリー、どちらがいいのですか?」
インストラクターの方から、このような質問を受けることがあります。
私の答えは、とてもシンプルです。
どちらも素晴らしい。どちらも間違いではありません。
クラシカルピラティスには、ジョセフ・ピラティス氏が築いたメソッドや考え方を大切に受け継ぎ、その本質を理解しようとする魅力があります。
一方、コンテンポラリーピラティスには、解剖学や運動学、神経科学などの新しい知見を取り入れながら、現代の身体に合わせて発展してきた魅力があります。
どちらも目指しているのは、お客様の身体をより良い方向へ導くこと。
だから私は、「どちらが正しい」という議論には、あまり意味がないと思っています。
深めるとは、たくさん学ぶことではない
では、「ピラティスを深める」とは何でしょうか。
私は、資格を増やすことでも、たくさんの流派を知ることでもないと思っています。
もちろん、さまざまな考え方を学ぶことは大切です。
しかし、本当に深まるのは、一つの考え方を時間をかけて学び続け、その背景にある哲学や意図まで理解しようとするときではないでしょうか。
なぜ、このエクササイズなのか。
なぜ、この順番なのか。
なぜ、このキューイングなのか。
そこまで考え続けることで、少しずつピラティスの本質が見えてきます。
私がクラシカルを学び続ける理由
私自身、さまざまな学びを続ける中で、最終的にクラシカルピラティスを深く学ぶ道を選びました。
それは、「クラシカルが一番だから」ではありません。
この先生から学びたい。
そう思える師に出会えたからです。
私は、エクササイズだけではなく、その先生が身体をどう見ているのか、何を大切にしているのか、どんな考え方で指導しているのかまで学びたいと思いました。
ピラティスは、動きを覚えることではありません。
身体の見方を学ぶこと。
人を見る視点を育てること。
そして、指導者としての考え方を育てていくこと。
私は、その積み重ねこそが「深める」ということだと思っています。
ラーメン屋さんに例えると…
少し変な例えかもしれませんが、私はよくラーメン屋さんを思い浮かべます。
「このラーメンが好きだ。」
そう思ったら、その味を徹底的に学びたくなる。
まずは、その味を忠実に作れるようになるまで修行する。
なぜ、この材料なのか。
なぜ、この作り方なのか。
なぜ、この順番なのか。
そこまで理解して初めて、その一杯の本当の価値が見えてきます。
そして、その味を深く理解した人だからこそ、自分らしい一杯を生み出せるのだと思います。
最初からアレンジすることはできます。
でも、元の味を十分に知らないまま加えたアレンジは、本当の意味での創造ではなく、ただの自己流になってしまうこともあります。
ピラティスも同じではないでしょうか。
まずは、深く理解すること。
その上で、自分自身の経験や考え方が自然と加わっていく。
私は、その順番を大切にしたいと思っています。
指導者には「軸」が必要
今は、情報があふれています。
SNSを開けば、新しいエクササイズや新しいメソッドが次々と紹介されています。
だからこそ、何を取り入れ、何を取り入れないのか。
その判断基準となる「軸」が必要です。
軸があるからこそ、お客様の身体を見て、迷わずエクササイズを選び、理由を持って指導することができます。
それは、クラシカルかコンテンポラリーかという話ではありません。
自分は何を大切にし、何を信じて指導するのか。
その軸を持つことが、深い指導につながるのだと思います。
学びに終わりはない
私は今でも、師のもとで学び続けています。
「もう十分学んだから、自分流で。」
そう思ったことは一度もありません。
むしろ学べば学ぶほど、自分の知らないことの多さに気づきます。
だから、これからも学び続けたい。
一つの考え方を深く理解し、その上でさまざまな知識や経験を重ね、お客様一人ひとりの身体に還元していきたい。
それが、私にとっての「ピラティスを深める」ということです。
ピラティスには、さまざまな流派や考え方があります。
だからこそ、どれが正しいかを競うのではなく、自分自身が何を大切にし、どのように学び続けるのか。
その姿勢こそが、指導者として最も大切なことなのではないでしょうか。

まずは体験!













