「『正しく動く』よりも、『選んで動く』というこ

ピラティスの「コントロール」とは、何なのでしょう。
最近、私はこのことをよく考えています。
見た動きをそのまま真似して、同じように動くことも、もちろん一つの能力です。
でも、それだけが「コントロール」なのだろうか。
私は少し違うように感じています。
コントロールとは、自分の身体の中で起きていることを感じ取り、何を優先するのかを考え、その時の自分に必要な動きを選択していくことなのではないでしょうか。

概念があるから、身体を整理して考えられる
私たちは、毎回すべてを一から考えているわけではありません。
いろいろな経験を重ねる中で、
「これは同じ種類の動きだ」
「これは以前にもあった」
「この場合は、こちらを優先した方がいい」
と、少しずつ物事をカテゴリーに分けながら理解していきます。
概念とは、複雑なものを整理するための一つの枠組みなのだと思います。
身体についても同じです。
例えば、
背骨を動かすこと。
骨盤と胸郭の関係。
安定させるところと動かすところ。
重力や床から受ける力。
呼吸。
スプリングから受ける抵抗。
こうしたものを、一つ一つバラバラに覚えるのではなく、
「今、この身体に何が起きているのか」
という視点でカテゴリーに分けられるようになる。
すると、初めて行うエクササイズでも、まったく知らないものとしてではなく、
「これは、以前経験したあの動きと同じ要素を持っている」
と考えられるようになります。

エクササイズを覚えることと、身体を使えることは違う
たくさんのエクササイズを覚えることはできます。
順番も覚えられる。
呼吸のタイミングも覚えられる。
先生の動きを見て、そのまま再現することもできる。
でも、身体は毎日同じではありません。
今日は腰が動きにくい。
今日は呼吸が浅い。
今日は股関節がうまく動かない。
そんな時に、
「いつもこうしているから」
だけで動くのではなく、
「今日は何を優先するのか」
「どこを少し変えればいいのか」
と判断できること。
私は、それこそが身体をコントロールすることなのではないかと思っています。
コントロールとは「正しい形」ではなく「選択する力」
ピラティスでは、きれいな形を作ることが目的になってしまうことがあります。
でも、同じエクササイズでも身体は一人ひとり違います。
だから私は、
コントロールとは、
「正しい形を再現すること」
ではなく、
「自分の身体の状態を理解して、その時に必要な使い方を選択すること」
なのではないかと考えています。
そのためには、身体を感じることが必要です。
感じたことを整理する。
何を優先するかを決める。
そして実際に身体を動かしてみる。
うまくいかなければ、また変えてみる。
その繰り返しによって、身体の中に少しずつ判断の基準ができていくのだと思います。
経験が増えると、「考えなくても分かる」ようになる
長く運動を続けていると、身体の見方も変わってきます。
最初は一つ一つ考えながら行っていたことも、経験を重ねるうちに、
「ここが少し違う」
「今日はこの使い方ではない」
「この動きでは、ここを優先したい」
と、早く判断できるようになります。
これは単純にエクササイズの数を覚えたからではありません。
経験したことを脳の中で整理し、カテゴリーに分け、そこから優先順位をつけられるようになったからなのではないでしょうか。
年齢を重ねることによって、すべての能力が高くなるわけではありません。
でも、経験によって判断材料が増え、身体の中で起きていることを整理する力は、深めていくことができます。
だからこそ、年齢を重ねてからのピラティスにも大きな意味があると思っています。

ピラティスは、自分の身体を自分で扱う練習
私は最近、ピラティスをこう考えるようになりました。
経験する。
そこから共通点を見つける。
カテゴリーに分ける。
何を優先するのかを考える。
選択する。
そして身体を動かす。
それを繰り返すことで、最初は意識していたことが、少しずつ自然にできるようになる。
そして新しい状況でも、自分で身体を調整できるようになる。
それが、ピラティスの「コントロール」という考え方なのかもしれません。
ピラティスは、ただエクササイズを覚えるものではない。
自分の身体を観察し、考え、自分自身で扱えるようになるための方法。
私は、そこにピラティスの大きな価値があると思っています。
まずは体験!













