ピラティスの「質」とは何か?|豊中市のピラティススタジオが考える、本当に大切なこと


質を追求するということ
「量を追求するべきか、それとも質を追求するべきか」
経営や人材育成の場では、よく議論されるテーマです。
先日、セブン-イレブンの経営を率いた鈴木敏文さんの「品質の追求は量」という言葉を紹介した記事を読みました。
品質を追求していれば、結果として量もついてくる、という考え方です。
この言葉に触れて、私はこれまでのピラティス指導やスタジオ経営について、改めて考える機会を得ました。
大阪府豊中市でStudio Pilates removeを開業してから12年。
私自身、長年ピラティスを学び、指導を続け、スタジオの設備を充実させ、インストラクターの教育にも取り組んできました。
お客様により良いピラティスを提供したい。その思いは開業当初から変わりません。
しかし、ここで一つの疑問が生まれます。
そもそも、ピラティスの「質」とは何をもって判断するのでしょうか。
資格や知識、設備の充実が指導の質を決めるのか
ピラティス業界では、指導者の専門性を示すものとして、資格や所属団体、指導経験などが挙げられます。
海外の著名な指導者から学ぶことや、アメリカで研修を受けること、団体のマスタートレーナーとして活動することも、専門性を示す一つの指標になるでしょう。
また、マシンピラティスのスタジオでは、使用するマシンのブランドや設備の充実度も、スタジオの特徴として紹介されています。
もちろん、これらは決して無意味ではありません。
私自身も海外の指導者から学び、長い年月をかけて知識と技術を積み重ねてきました。
スタジオでもクラシカルピラティスとコンテンポラリーピラティスの設備を整え、それぞれの特徴を生かした指導環境づくりを進めています。
しかし、長く指導を続ける中で、こう考えるようになりました。
資格を取得することと、実際に質の高い指導ができることは、必ずしも同じではないのではないか。
解剖学や運動学の知識が豊富でも、その知識を実際の指導に生かせているとは限りません。
多くのエクササイズを知っていても、目の前のお客様に必要な運動を適切に選択できるかどうかは別の問題です。
また、高品質なピラティスマシンを備えていても、その特徴を十分に理解し、目的に応じて活用できなければ、設備の価値を生かしきれません。
資格、経験、知識、設備は、指導の質を支える大切な要素です。
しかし、それらを所有していること自体が、指導の成果を保証するわけではないのです。

ピラティスを教えることと、身体に変化を生み出すこと
ピラティスの指導では、エクササイズのフォームを説明し、正しい動きを伝えることが重視されます。
もちろん、安全で適切な動作を指導することは重要です。
しかし、私はエクササイズを正確に説明することだけが、ピラティスの指導ではないと考えています。
例えば、同じエクササイズを行っても、身体の特徴、運動経験、筋力、可動性、動きの癖などによって、取り組み方や反応は異なります。
指導者には、動きを観察し、何が起きているのかを考え、その人に必要な運動を選択する力が求められます。
そして、実際に運動を行った結果を確認し、必要に応じて負荷や回数、動作の範囲、指導方法を調整していくことが大切です。
ここで重要なのは、見た目のフォームが整ったことと、身体機能が改善したことを同じものとして扱わないことです。
姿勢や動作の観察は重要な情報になりますが、それだけで筋肉の活動状態や身体の内部で起きている変化をすべて判断することはできません。
また、一度のレッスンで動きが改善しても、その変化が長期的に定着するとは限りません。
だからこそ、身体の状態を継続して観察し、お客様自身の感覚や日常生活での変化も確認しながら指導を進める必要があります。
「エクササイズができたか」だけでなく、「その運動がお客様にとってどのような意味を持つのか」。
そこまで考えることが、ピラティスの専門的な指導につながるのだと思います。
お客様にとっての「質」は、一つではない
一方で、質を身体機能の改善だけで評価することにも、慎重でありたいと思っています。
ピラティスに通う目的は、人によって異なるからです。
姿勢を改善したい方、身体を動かす習慣を身につけたい方、筋力や柔軟性を維持したい方。
運動不足を解消したい方もいれば、50分間、自分の身体に集中できる時間を楽しみにしている方もいらっしゃいます。
身体の変化を実感することは大切です。
しかし、それと同じように、安心して運動できること、楽しく継続できること、自分の身体に関心を持てるようになることも、ピラティスが提供できる価値です。
つまり、質の高い指導とは、すべてのお客様に同じエクササイズや同じ結果を求めることではありません。
一人ひとりの目的を理解し、その方にとって意味のある運動と時間を提供すること。
そのためには、専門的な知識や技術に加えて、お客様とのコミュニケーションや信頼関係も必要になります。
知識の豊富なインストラクターが、必ずしもすべてのお客様にとって良い指導者になるとは限りません。
反対に、明るく楽しく身体を動かすことを得意とするインストラクターが、お客様の運動習慣や身体機能の向上に大きく貢献することもあります。
ただし、楽しさだけで安全性や運動の目的を軽視してよいわけではありません。
専門性と、お客様が感じる価値。
その両方を大切にする必要があると思います。

私が考える「質」とは、真摯に向き合い続けること
私は長年、ピラティスという運動に真面目に取り組んできました。
勉強を重ね、海外の先生方から学び、指導経験を積み、スタジオの環境も整えてきました。
ただ、それだけで自分の指導の質が高いと言い切れるとは思っていません。
どれだけ経験を重ねても、すべてのお客様に最適な指導ができるとは限りません。
期待していた変化が現れないこともあれば、これまでの考え方を見直す必要が生じることもあります。
そのときに大切なのは、自分の知識や経験に固執することではなく、もう一度お客様の身体を観察し、何が必要なのかを考えることだと思っています。
学ぶことは、知識を増やすためだけではありません。
自分の指導を見直し、より良い選択ができるようになるためでもあります。
そして、お客様の変化を確認しながら、指導を修正していく。
これは、一度学べば完成するものではありません。
私にとって、ピラティスの質を追求するとは、今の自分の知識や経験に満足することなく、目の前のお客様に対して、誠実に考え、実践し、学び続けることです。
真摯に取り組む姿勢だけで、良い結果が約束されるわけではありません。
だからこそ、その姿勢を具体的な行動につなげ、指導の結果を確かめ続けることが必要なのだと思います。
スタジオ経営における質とは何か
指導者個人の質と、ピラティススタジオ全体の質も、必ずしも同じではありません。
Studio Pilates removeでは、2014年の開業以来、移転やスタジオの拡張を行い、現在は2フロアでピラティスを提供しています。
本格的なマシンピラティスの環境を整えるだけでなく、インストラクターの教育や指導内容の充実にも取り組んできました。
私自身も、現在進行形で学び続けています。
しかし、スタジオの質を考えるうえで、設備や代表者の経歴だけを強調したいわけではありません。
複数のインストラクターが指導するスタジオだからこそ、誰が担当しても、安全性や指導の基本を大切にし、お客様一人ひとりに向き合える環境をつくる必要があります。
指導者それぞれの個性や得意分野を生かしながら、スタジオとして大切にする考え方を共有する。
そのための教育や設備への投資も、経営者としての責任だと考えています。
また、スタジオを長く継続するためには、適切な利益を確保することも必要です。
良い設備を維持し、指導者が学び続けられる環境を整えるには、経営の安定が欠かせません。
質の追求と利益の確保は、対立するものではないのです。
質を追求した先にある「量」とは
冒頭で紹介した「品質の追求は量」という言葉。
ピラティススタジオに置き換えたとき、私はこの「量」を、単に会員数や店舗数を増やすことだけではないと捉えています。
もちろん、多くのお客様に選ばれることは、経営において大切です。
しかし、ピラティスは一度の体験で終わるものではなく、継続的に身体を動かすことに価値がある運動です。
お客様が何年も通い続けてくださること。
ご自身の身体に関心を持ち、運動を生活の一部にしてくださること。
そして、スタジオが長く運営を続け、その間も少しずつ成長していくこと。
こうした時間の積み重ねも、私にとっては大切な「量」です。
もちろん、長く営業していることや、長く通ってくださるお客様がいることだけで、指導の質の高さをすべて証明できるわけではありません。
継続には、立地や料金、通いやすさ、人間関係など、さまざまな要因が関わります。
それでも、長い時間をかけてお客様との信頼関係を築き、継続して選んでいただけることには、大きな意味があると感じています。
質を追求することが継続につながり、継続の積み重ねがスタジオの成長を支える。
私は、そんな経営をこれからも大切にしたいと思っています。

豊中市で、これからもピラティスと向き合い続ける
ピラティスの質について考えると、明確な答えを一つだけ示すことは難しいと感じます。
資格も、知識も、指導経験も、設備も大切です。
しかし、それらはお客様により良い運動を提供するために活用されてこそ、意味を持ちます。
私自身、これからも学び続け、これまでの指導を見直しながら、スタジオを成長させていきたいと考えています。
何年経験を積んでも、学ぶべきことはあります。
お客様の身体も、生活も、目的も変化します。
だからこそ、昨日までの正解にとらわれず、目の前のお客様に必要なことを考え続けたいのです。
質とは、何かを手に入れたことで完成するものではなく、より良いものを目指して、真摯に取り組み続ける中で育まれるものなのかもしれません。
大阪府豊中市のStudio Pilates removeでは、これからも一人ひとりのお客様の身体に向き合い、クラシカルピラティスとコンテンポラリーピラティス、それぞれの特徴を生かしながら、パーソナルレッスンを中心とした指導を大切にしていきます。
派手な成長ではないかもしれません。
それでも、昨日より今日、今日より明日。
少しずつでも、より良いピラティスを提供できるスタジオでありたいと思っています。
Studio Pilates remove(スタジオ ピラティス リムーブ)
大阪府豊中市のピラティススタジオ。
マシンピラティス・パーソナルピラティスを中心に、お客様一人ひとりの身体や目的に合わせたレッスンを提供しています。
ピラティスが初めての方も、経験者の方も、お気軽に体験レッスンについてお問い合わせください。
まずは体験!













