ピラティスの仕事について

ピラティスの仕事について
〜目に見えないことを大切にするということ〜
ピラティスの仕事をしていて、ふと立ち止まって考えることがあります。
それは、「私たちが大切にしているものは、目に見えないことが多い」ということ。
ピラティスの知識やテクニック、解剖学の学びはもちろん大切です。
でも、それ以上に、自分自身がどう在るか、日々の練習をどう積み重ねているか、
お客様にどんな気持ちで向き合っているか――
それらはすべて、目に見えないけれど、とても大事なものです。

レッスン前には、空間を整えます。
掃除をして、空気を入れ替えて、気持ちのよい状態をつくる。
お迎えする準備を整えることで、自分の心も整います。
これは「ただ掃除をしている」わけではありません。
レッスンの質を支える、大切な時間でもあるのです。
また、自分自身の練習も、指導者として欠かせない仕事の一つです。
自分の体と心に向き合い、今日のコンディションを知る。
その感覚が、お客様を見るときの感受性や対応力につながります。
「もっとこうしたらよくなる」「この方にはこう伝えよう」
そんな気づきは、自分の練習から生まれてきます。

目に見える成果や数字ももちろん大切。
でも、ピラティスの仕事には、見えない部分にこそ、本当の価値が宿っているように思います。
静かに、丁寧に、自分のあり方を整えていく。
そんな日々の積み重ねが、誰かの役に立つことに、私はこの仕事の喜びを感じています。