ピラティスは「動きの型」ではなく、「在り方のメソッド」

ピラティスは「動きの型」ではなく、「在り方のメソッド」

── 見えない部分に宿る本質を求めて

ピラティスは、一見するとエクササイズ──つまり、体を鍛える運動に分類されがちですが、その本質は単なる「運動」ではありません。

「メソッド(method)」──方法論、哲学、姿勢。

そう表現されるのは、ピラティスが単に「正しい動作」をなぞることを目的としていないからです。むしろ、その動きの裏側にある「考え方」や「意識のあり方」を重視するのが、ピラティスの本質的な姿だと私は考えています。

ピラティスを通して体を整えることは、表面的な筋力や柔軟性の向上にとどまりません。むしろ、呼吸、重力との関係、骨格構造への意識、自律神経のバランス、そして感覚の再教育など、多くの要素が同時に関わり合いながら進んでいく「身体との対話」なのです。

ピラティスに通じる日本の武道的精神

この「見えない部分への意識」という考え方は、日本の武道の精神性に非常に近いものがあります。

武道では、技を磨くこと以上に、その前後の所作や心の在り方が重要視されます。たとえば、礼に始まり礼に終わる。勝敗だけでなく、日常の所作、自己規律、相手への敬意が求められます。

ピラティスも同様に、ただ正確なフォームをなぞるだけではなく、「なぜその動きをするのか」「どこを感じるべきか」といった内面の問いを持ちながら行うことで、初めて本来の価値が引き出されていきます。

ピラティスは「料理」にも似ている

私は、ピラティスの学びを「料理」にたとえることがあります。

たとえば「肉じゃが」を作るとき、誰かが作った惣菜を買ってくれば、すぐに食べられますし、手軽です。しかし、「料理ができるようになる」というのは、材料の選び方や、切り方、火加減、調味料の加え方など、細部にわたる工程を一つひとつ理解し、再現できるようになることを意味します。

ピラティスも同じです。リフォーマーに乗ってエクササイズの動きをただ模倣するのではなく、「なぜこの動きをするのか」「どの筋肉を意識すべきか」「どのタイミングで呼吸を使うのか」までを理解し、実践することで、本質的な意味が浮かび上がってくるのです。

じゃがいもの剥き方にこだわるのは、単に丁寧だからではありません。火の通りを良くし、食べやすく、美しく仕上げるための「理にかなった一手間」です。そのように、目には見えないけれども、結果に大きな影響を与える要素を大切にすることこそが、ピラティスのメソッドに通じているのです。

「基本」は軽視されやすい。でも、そこが最も奥深い

呼吸の深さ、骨盤や肋骨のニュートラルポジション、背骨の配列や頭の位置……。

こうした「基本的なこと」は、慣れてくるとおろそかになりがちです。しかし実は、こうした土台があるからこそ、動きが美しくなり、身体の変化が起こります。基本とは、最も高度で、応用に不可欠なものなのです。

だからこそ私は、レッスンの中でも、ただ「うまく動ける」ことだけを求めず、その背後にある前提──姿勢、意識、感覚──に目を向けてもらえるよう、心がけています。

それは、最初は面倒に感じるかもしれません。「もっと簡単に効果を出したい」「とりあえず汗をかければそれでいい」と思う方もいるでしょう。でも、あえてその遠回りに見えるようなプロセスを大切にすることが、結果として“自分の体と深くつながること”につながるのです。

ピラティスの学びは、一生もの

ピラティスを通して、自分の身体の変化を感じられるようになると、「なぜうまく動けなかったのか」「どうすればもっと楽に動けるのか」など、探究の視点が育ちます。そしてそれは、ピラティスだけにとどまらず、日常の姿勢や所作、呼吸、さらには思考や生き方にまで波及していきます。

私たちがスタジオで大切にしているのは、そういった“目には見えないけれど確実に身体を変える力”です。ただエクササイズを消化するだけのレッスンではありません。
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