クラシカルピラティスのフローとは?

クラシカルピラティスのフローとは?
クラシカルピラティスの「フロー」とは、まるで流れるように途切れることのない動きの連続です。一見、動きが止まっているように見えても、体の内部では絶えず筋肉が働き続け、スプリングを引く時と同じような適切なコントロールが求められます。
スプリングを引く時というはずっと同じ力で引くのではなく、継続的に弾き続ける力が必要です。もし急に力を緩めると、スプリングが勢いよく戻ってしまうため、戻す時も徐々にコントロールしながら緩めることが重要になります。この動作はスプリングと身体の一体感を生み出し、広げて戻すという一連の流れの中でピラティスの本質であるものが、このディテールにより際立ってきます。
このフローを生み出すためには、単一の筋肉だけでなく、全身の筋肉を総合的に使うことが不可欠です。プロでなくても、動きを見ていると、その違いは明確に見えるはずです。スプリングが不安定に揺れたりまた一定の速度で伸びない時は、必要な筋肉が十分に使えておらず、身体の安定性が欠けている証拠です。しかし、スプリングがスムーズに、迷いなく伸縮する時は、身体全体が安定し、理想的なコントロールがなされていると言えます。この感覚を自分の体にもリンクさせることで、より洗練された動きを実現できます。

例えば、自転車を漕ぐ時を思い浮かべてください。最初にぐっと力を入れ、その後は力を緩めることでスムーズに車輪が回転します。この独特のリズムこそが、クラシカルピラティスのマットエクササイズにも活かされています。
さらに、動きと動きの間にも流れが途切れないように「トランジットワーク」が取り入れられており、これもクラシカルピラティスの特徴の一つです。このトランジットワークは意味のないものではなく、私は、動きの初動の部分にフォーカスしていると感じています。なので、これを入れることにより、安定筋を意識s、安全にエクササイズに臨めるのだと感じています。
このフローがしっかりと身につくと、動きは美しくなめらかになり、無駄な力が抜けた状態でエクササイズが行えるようになります。もちろん、これは感覚的な要素が大きく、最初からできる人もいれば、繰り返し練習することで習得していく人もいます。だからこそ、クラシカルピラティスでは同じ動きを、決められた順番(チャート)で行うことを大切にしているのだと思います。

クラシカルピラティスにはさまざまな解釈があるかもしれませんが、私が考えるクラシカルの本質とは、重く不安定なスプリングにも負けない力強さと、それをコントロールできるホールボディの感覚を養うことにあると思います。しなやかさとパワーが共存し、厳しさの中に美しさがある—それがクラシカルピラティスのフローの魅力ではないでしょうか。

このスプリングに創始者のピラティス氏を感じます。
ジョセフ・ピラティスは、本当に情熱(パワー)と柔軟性(創作力)があり、そして自分をしっかり持った(どんな逆境にも耐える強い考え方)非常に厳しい人だったのではないかと想像します。それは、自分自身に対しても、そして他人に対しても同様だったのでしょう。その厳しさこそが、ピラティスのメソッドをここまで精錬されたものにしたのかもしれません。その厳しさをスプリングに感じられます。
(トレーニング中、いつも体はひきちぎられる!もう無理!!!といった気持ちになります 笑 )