ピラティス器具が生まれた理由とその効果
ピラティス氏が考案した器具には、深い意図があります。彼はクライアントに指導する中で、「もっとここがこうなっていれば、この人には動きがより理解しやすくなるのではないか」と常に試行錯誤を重ね、新しい器具を生み出していきました。その結果、現在の多様なピラティス器具のラインナップが完成したのです。
ピラティスの動きは、一人ひとり異なる身体の特徴や状態に合わせて工夫することが大切です。動きそのものは同じでも、使用する器具を変えることで、その人にとって理解しやすい感覚が得られます。例えば「FW フットワーク」というスクワットのような動きの場合、以下のように異なる方法でアプローチすることができます。
- リフォーマー:寝た状態で行うことで重力の影響を抑え、コントロールに集中しやすくする。
- チェア:座った状態で行うことで、さらにコアの安定性を意識する。
- キャデラック:下からスプリングを使い、重力に逆らう感覚を作りながら行うことで、全身の調整力を高める。
このように、同じ動きを異なる器具で行うことで、身体にとって新しい感覚や気づきを得ることができ、動きの理解が深まります。
動きの「答え合わせ」とピラティスの本質
ピラティスのトレーニングは、単なるエクササイズではなく「答え合わせ」に似ている部分があります。自分の動きを確認しながら、コントロールやバランスが身についているかをテストする感覚です。
ただし、その答えは外にあるのではなく、常に自分の中にあります。不安定な状況の中で、自分の動きが正しいかどうかを見つけていく。それこそがピラティスのトレーニングが目指す本質の一つです。器具を通じて体が新しいことに気づいたとき、私たちは自分の身体をより深く理解する機会を得られるのです。
日々のトレーニングの中で、器具を通して新しい気づきを見つけていく楽しさを、ぜひ一緒に体験してみてください。