ペド・オ・プル(Ped-o-Pull)とは? 見た目以上に奥深いピラティス器具
ペド・オ・プルは、ジョセフ・ピラティスが考案したクラシカルな器具の一つです。T字型のシンプルな構造で、上部からスプリングを垂らし、それを引くことでエクササイズを行います。一見シンプルに見えますが、実はとても奥深い器具です。
この器具の特徴は、重力に沿ったプラムライン上で動作すること です。他のピラティス器具とは異なり、動きの軌跡が放射線状ではなく垂直に近いため、体のアライメント(姿勢の整え方)が非常に重要になります。また、肩甲骨の安定性が求められ、全身(ホールボディ)の感覚をつかみやすい のも特徴です。
ペド・オ・プルを使う際のポイント
ペド・オ・プルでは、見た目にうまく動けているように見えても、実際には本来の伸張感(エロンゲーション)が得られていないことがあります。これは、ピラティスの基本が身についていないと、正しく体を使えない という特徴があるからです。
目に見える動きだけでなく、目に見えない部分の意識を大切にする ことが、ペド・オ・プルのエクササイズではとても重要になります。そのため、コアを適切に使えていないと、スプリングの負荷を腕だけで引いてしまい、肩や首に余計な力が入ってしまうこともあります。
安全に使うための工夫
ペド・オ・プルはシンプルな構造ゆえに、滑りやすく、不安定な器具 でもあります。そのため、安全に使うために次のような工夫が必要です。
✅ 壁の前で使用する → 安定感を高め、転倒を防ぐ
✅ スリップパッドを下に置く → 器具自体の滑りを防ぐ
✅ 板の下にマットを敷く → 足元の安定を確保し、安全性を向上させる
また、クラシカルなスプリングは強く、不安定な特性を持つため、体格や筋力に応じて台を使ったり、スプリングの種類を変更する ことで、無理なくエクササイズができるように調整するのもおすすめです。
ペド・オ・プルは「スパイス的」に取り入れるのが効果的
ペド・オ・プルは、ダンサーのようにバランス能力を高めたい方にとても有効な器具ですが、ピラティスの基本がしっかり身についていないと効果が半減してしまいます。
そのため、レッスンのメインとして使うのではなく、「スパイス的」に取り入れる のが効果的です。ピラティスの基本をしっかり押さえたうえで活用すると、より正確なアライメントやコアの使い方を深めることができるでしょう。
ペド・オ・プルを使うことで、ピラティスの奥深さをより実感できるかもしれません。興味のある方は、ぜひ試してみてください!