ピラティスを始めようと思ったあなたへ

ピラティスを始めようと思ったあなたへ
― スタジオ選びで大切にしてほしいこと ―
最近、「ピラティスを始めてみたい」という声を本当によく聞きます。
SNSでも、雑誌でも、街の看板でも、“ピラティス”という言葉を目にしない日はないくらい。
それだけ、多くの人が体と心に意識を向けるようになったのは、素晴らしいことだと思います。
でも同時に、たくさんの情報や宣伝の中で、
「どこに行けばいいの?」「何が正しいの?」と
迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

実際、今は“ピラティススタジオ”と一言でいっても、
スタイルも目的もまったく異なります。
リフォーマー専門のスタジオもあれば、グループマット中心のところもあり、
美容・ダイエット・姿勢改善・リハビリ・トレーニングなど、
打ち出しているテーマもさまざまです。
広告写真はどれもきれいで、
「最新マシン導入」「海外資格保有」などの言葉も目立ちます。
でも、それらを見ていると、
「結局どこがいいの?」
「“いいスタジオ”って、何を基準にすればいいの?」
と感じてしまうのではないでしょうか。

マーケティングが上手な時代に思うこと
正直に言うと、私も時々分からなくなることがあります。
何が本当に“良いピラティス”なのか。
どこが“権威”で、何が“正統”なのか。
今の時代、SNSや広告の力で、
あるスタジオが急に有名になったり、
資格を取って間もない方がインフルエンサーのように発信したりすることもあります。
もちろん、それもひとつの努力の形です。
そして、マーケティングの力を否定するつもりはまったくありません。
人に知ってもらうことは、今やどんな仕事にも欠かせないことです。
でも、私自身はというと、
ただひたすら「ピラティスに向き合う」ことしかしていません。
毎日、目の前のクライアントと向き合い、
一人ひとりの体に合う動きを探し、
少しでもその人が軽く、心地よく動けるように考え続けています。
それは、華やかでも、効率的でもないかもしれません。
けれど、そこに“真実の時間”があると信じています。

スタジオ選びで大切なのは「感覚」
ピラティスは本来、“自分の体を知るための学び”です。
決して、「流行の運動」ではありません。
創始者ジョセフ・ピラティス氏が大切にしていたのは、
「正しい動きによって、心と体をコントロールする」という考え方でした。
だからこそ、どのスタジオに通うかを決めるときに
一番大切にしてほしいのは、**“自分の感覚”**です。
初めて訪れたスタジオで、
空気が心地よいと感じるか。
話をしてみて、信頼できそうだと思えるか。
レッスンを受けて、体がスッと軽くなる感覚があるか。
それこそが、あなたに合った場所です。
「有名だから」でもなく、
「マシンが最新だから」でもなく、
「安いから」でもなく。
大切なのは、「自分がどう感じたか」。
その直感を信じて選んでほしいと思います。
そして、ピラティスは“続けること”で見えてくる
ピラティスは、1回で劇的に変わる魔法のような運動ではありません。
でも、続けるうちに必ず“何か”が変わります。
姿勢や体の使い方だけでなく、
考え方や生き方まで変わっていく人も多いのです。
それは、体を通して“自分自身”に出会う時間だから。
「昨日より今日、今日より明日、少しだけ軽く動けるようになった」
「呼吸が深くなって、気持ちが落ち着くようになった」
そんな小さな積み重ねの先に、
自分の体への信頼が生まれます。
だからこそ、長く続けられる場所を選んでください。
無理をしなくても通いたくなる場所、
頑張るより、自然と背筋が伸びるような場所。
そこに、きっとあなたのピラティスの答えがあります。
最後に
私のスタジオ「スタジオピラティスリムーブ」も、
そんな“場所”のひとつでありたいと願っています。
華やかさはありませんが、
ここには、体と心にまっすぐ向き合う時間があります。
ピラティスを通して「自分を知る」「自分を整える」――
その喜びを、一緒に味わっていただけたら嬉しいです。













