ピラティスの隠れた名器具「ペド・オ・プル(Ped-O-Pul)」とは

ピラティスの隠れた名器具「ペド・オ・プル(Ped-O-Pul)」とは

〜“アイディアライザー”と呼ばれた、その歴史と魅力〜

ピラティスの器具といえば、リフォーマーやキャデラックなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど、ジョセフ・ピラティスが考案した器具の中には、あまり知られていないものの、とてもユニークで効果的なものがいくつか存在します。その一つが「Ped-O-Pul(ペド・オ・プル)」です。


■ “Idealizer(アイディアライザー)”と呼ばれた器具

1952年5月、『Park East The Magazine of New York』という雑誌にて、ペド・オ・プルは「Idealizer(アイディアライザー)」という名前で紹介されました。
記事にはこう書かれています。

「眠っている筋肉の4分の3を目覚めさせ、身体の健やかさを引き出すために、ピラティスが新しい器具“アイディアライザー”を開発した」

それは、自転車のサドルがついた垂直のポールに、スプリング付きのハンドグリップがぶら下がっているという構造で、「部屋の片隅に目立たず置くことができる」「全身の筋肉を鍛えることができる」として紹介されています。

ジョセフ・ピラティス本人も、この器具を非常に重視していたことが伺えます。


■ ピラティススタジオにあった2つのタイプのペド・オ・プル

ピラティスのスタジオには、以下の2種類のペド・オ・プルが存在していました。

① 高さ調整ができるタイプ(1956年)

  • 四隅が切り落とされた八角形のようなベースを持ち、自立式で設置されていました。
  • 高さ調整が可能で、自転車のサドルを装着できる仕様。
  • ニューヨークの高級百貨店「ベンデル」内の2つ目のピラティススタジオにも導入され、ナジャ・コーリーやキャシー・グラントによって指導に使われていました。
  • 現在はキャシー・グラントの弟子であるブロッサム・レイラニ・クロフォード氏が所持しているとされています。

② 高さ固定タイプ

  • 壁際に設置されており、高さは固定されていたタイプ。
  • ポールは台座の中央に固定され、その台座の一部が壁のベンチの下に差し込まれていました。
  • ジョセフ・ピラティス本人のスタジオで使用されていた器具です。

■ その他のバリエーションと歴史の記録

さらに、キャロラ・トリアーのスタジオにも、ペド・オ・プルのバリエーションが存在していました。そこでは、高さ調整と自転車サドルの取り付けが可能なモデルが使用されていたとされます。

興味深いのは、ピラティス夫妻がキャロラに送ったとされるポストカードが残っており、そこには次のように書かれていました。

「親愛なるキャロラへ:電話しましたがつながりませんでした。“アイディアライザー”を取りに来てください。愛を込めて、クララとジョー。1952年5月11日」

この日付は、ちょうど雑誌に“アイディアライザー”が紹介された年と一致しています。


■ 名前の由来と目的

器具名には「Pedi-Pole」「Pedi-Pul」などのバリエーション表記もありますが、正しくは “Ped-O-Pul” とされています。
また、ジョセフ・ピラティス自身はこの器具を「The Ideal Body Perfecter and Relaxer(理想的な身体を作りリラックスさせる装置)」とも呼んでいました。

その名の通り、肩を下げる意識や正しい姿勢、コントロールされた動作を習得するのに非常に効果的な器具で、現在でもクラシカル・ピラティスの重要なツールの一つとして再評価されています。


■ スタジオでの活用と学び

当スタジオでも、こうした歴史ある器具の背景や目的を大切にしながら、丁寧にレッスンを行っています。
ペド・オ・プルのように、一見シンプルながらも深い学びと可能性を秘めたツールは、身体を根本から整えたい方にこそおすすめです。

歴史と知恵の詰まったピラティスの器具、ぜひその魅力に触れてみてください。


【参考文献・出典】


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