私は、どんな価値を生み出せているのだろう?

私は、どんな価値を生み出せているのだろう?
ときどき、ふと考えます。
「私は、今、どんな価値を生み出せているのだろう?」と。
忙しさに追われる毎日のなかで、
自分がしていることに意味があるのか、
本当に誰かの役に立てているのか、
そんな不安が心のすみに芽生えることがあります。
私は、欠けたところがたくさんあります
正直に言うと、私は自分に足りないところがたくさんあると思っています。
何となく一通りのことはできてしまうけれど、
どれも中途半端に感じてしまう。
そして、真面目すぎるところがあって、柔軟な発想が苦手。
ひねりや面白みが足りないと感じることもあります。
それに、人とのコミュニケーションも、得意ではありません。
考えすぎてしまうから、言葉に詰まることもあるし、
うまく伝えられないことで、誤解を生んでしまったこともあると思います。
だから、私が生み出している「価値」なんてあるのだろうか?
そんなふうに思ってしまうのです。

でも、だからこそできることがあるのかもしれない
そんな私でも、ピラティスを通して伝えたいことがあります。
ただ正しく動くことではなく、
その人自身の心と体が、今どんな状態にあるのかに寄り添いたい。
そして、その人が少しでも前向きに、健やかに、日常を過ごせるようになるお手伝いができたらと思っています。
派手なことはできません。
言葉もうまくありません。
でも、目の前の人をちゃんと見て、静かに支えることなら、できる気がします。

経験してきたことが、少しでも誰かの支えになれば
これまでの人生の中で、たくさん悩み、立ち止まり、
それでもまた前を向いて歩いてきました。
子育てで感じた葛藤や、体の痛み、
人との距離に悩んだ日々もありました。
そんな経験があるからこそ、うまくいかない人の気持ちや、
どうしても前に進めない人の不安に、少しは共感できるのかもしれません。
だから私は、ただ「教える」のではなく、
その人がその人らしく動けるようになるためのサポートをしたいのです。

本質を届けるために、丁寧に
一見、遠回りに見えるやり方かもしれません。
でも、目の前の一人ひとりと向き合いながら、
本当に必要なものを、丁寧に届けていきたいと思っています。
「これでいいのかな?」と不安になる日もあるけれど、
帰り際の「ありがとう」や、ふと見せてくれる笑顔に、
小さな答えをもらっている気がします。
ありがたい今、そしてその先へ
今、私のスタジオには本当に多くのお客様が来てくださっています。
身に余るほど、ありがたいことだと、心から感じています。
だからこそ、次に進むべき「一歩」を考えるようになりました。
それは、これまで私が学んできた知識や経験を、次の世代に伝えていくことです。
私自身、今もメンターの先生方から学びを深めている最中です。
でも、その先生方も、かつては学び手でした。
そうやって“知恵のバトン”が少しずつ受け継がれ、
ピラティスは今のように広がっていったのだと思います。
私も、その流れのひとつになれたら――
そんな願いが、少しずつ芽生えています。
そして、私が大切に使ってきたピラティスマシンも、
次に志を持つ方へお渡ししていけたらと思っています。
それは、私のメンターが、エルダーから受け継いだマシンを大切に使っておられる姿に心を打たれたからです。
私が守ってきたものを、また誰かが受け継ぎ、活かしていってくれる。
そんな流れをつくることも、今の私にできる「価値」だと信じています。

完璧じゃないままでも、誰かの灯りになれたら
私には、足りないところも、苦手なこともたくさんあります。
でも、そんな私だからこそ、誰かの立ち止まった時間に、
そっと寄り添えるのかもしれません。
完璧じゃなくても、堂々としていなくてもいい。
ただ、今日出会った方が、少しだけ心も体も軽くなって、
「また来よう」と思ってもらえるように。
それが、私にできる「価値の届け方」だと信じて、
これからも、自分なりのペースで進んでいきたいと思います。
