ピラティスにおける

order・sequence・programming
── 指導の質を決める3つのレイヤー
ピラティスにおける
order・sequence・programming
── 指導の質を決める3つのレイヤー
ピラティスは、
単にエクササイズを並べるメソッドではありません。
一つひとつの動きは、
前後の関係性の中で意味を持ち、機能するよう設計されている。
この前提を理解しているかどうかで、
指導の質は大きく変わります。

ピラティスは「難度」ではなく「準備」から始まる
ピラティスでは、
いきなり難易度の高いエクササイズを行うことはありません。
それは安全性のためだけでなく、
動きの成立条件を段階的に整えるためです。
前のエクササイズによって、
- 関節可動の方向性が整理され
- 筋緊張のバランスが調整され
- 神経系が動きのパターンを学習する
この準備があって初めて、
次のエクササイズが「正しい質」で成立します。
ピラティスにおける順番や流れは、
身体学習のための構造そのものです。
order(オーダー)
── 継承されてきた「順番という型」
order とは、
マット、リフォーマー、キャデラック、チェアなどに存在する
エクササイズの確立された順番を指します。
クラシカルピラティスにおいて
order が厳密に扱われてきたのは、
- 身体の準備
- 難度の積み上げ
- 全身統合までの流れ
が、この順番の中にすでに組み込まれているからです。
order は
「守るためのルール」ではなく、
**機能的に完成度の高い“型”**です。
sequence(シークエンス/シーケンス)
── 動き同士の関係性と因果
sequence は、
order の背後にある
エクササイズ同士の意味的・機能的なつながりを示します。
- なぜこの動きの後に、これが来るのか
- このエクササイズは、次の何を準備しているのか
- どの感覚を引き継がせたいのか
sequence を理解していないと、
エクササイズは「形」や「手順」になり、
理解していると「役割を持った動き」になります。
同じ order を行っていても、
指導の質に差が出るのは、
この sequence を感じ取れているかどうかです。
が、これにはいろんな考え方があり、私はそのエクササイズに対する動きの順番のことをシーケンスと呼んでいます。前後はもちろん大事だけど、はっきりと一つ一つを区分し、その動きの明確さを作っていくときに大事なのが、シーケンスだと捉えています。
ものの捉え方は、いろいろであると思いますし、いろんな考え方があると思いますが、あシーケンスに対してはそのように考えています。

programming(プログラミング)
── 指導者の判断そのもの
programming とは、
order と sequence を理解した上で、
- クライアントの身体状態
- その日の目的
- 疲労・学習段階・心理的要因
を考慮しながら、
- どこまで行うか
- 何を省くか
- どこを強調するか
- 何を差し替えるか
を判断し、
レッスンを設計・編集する行為です。
多くの現場では、
無意識に行われていますが、
実際にはこれが 指導者としての力量そのものです。
私が養成生に伝え続けていること
インストラクター養成の中で、
私が一貫して伝えているのは、
「エクササイズを単体で完結させないこと」。
動きを理解するために、
一つのエクササイズを分解して練習することは必要です。
しかし、それはあくまで 学習の一段階にすぎません。
重要なのは、
- そのエクササイズが
- 前後のシークエンスの中で
- どんな役割を果たしているのか
を、身体感覚として理解することです。
単体では成立していても、
- シークエンスに入ると動きが途切れる
- 身体の準備が不足し質が落ちる
- 呼吸・リズム・集中が崩れる
という現象は、養成の現場では頻繁に起こります。
一方、
流れの中でエクササイズを経験すると、
- なぜここに配置されているのか
- 次の動きを成立させるために何をしているのか
が、
理屈ではなく身体で理解できるようになります。
これは、
「エクササイズを知っている段階」から
「身体を導ける指導者になる段階」への移行です。
ピラティスの効果は「構造の反復」で生まれる
ピラティスの変化は、
一つのエクササイズで起こるものではありません。
- 準備され
- つながり
- 統合される
この構造が、
繰り返し身体に入力されることで、
- 姿勢
- 動作
- 身体認知
が、徐々に書き換えられていきます。
だからこそ、
ピラティス指導において重要なのは、
「何を教えるか」ではなく、
**「どんな構造を、どんな順序で体験させるか」**です。

まとめ
ピラティスは、
エクササイズを「点」で扱うメソッドではありません。
order によって支えられ、
sequence によって意味を持ち、
programming によって指導として成立する。
この3つを統合して扱えるかどうかが、
プロフェッショナルとしてのピラティス指導の質を決めると、私は考えています。
まずは体験!














