ピラティスから見た「独占」という言葉への、静かな違和感

──スタジオピラティスリムーブが大切にしていること
PayPal創業者ピーター・ティールの「独占論」は、とても刺激的です。
特に「小さな市場を支配せよ」「10倍の改善をせよ」という考え方は、多くのフィットネス事業者にとって、目を覚ますような内容でしょう。
価格競争、サービスの横並び、キャンペーン合戦。
そうした消耗戦のなかで、「競争しなくていい場所をつくる」という発想は、確かに大きなヒントになります。
けれど、ピラティスという領域からこの理論を眺めていると、私は少しだけ、腑に落ちない感覚も覚えます。
それはおそらく、
ピラティスが扱っているのは「市場」ではなく、
人の身体と、その人が生きている時間そのものだからです。
独占とは、排除することではない
ビジネスの世界で語られる「独占」は、
しばしば「他を寄せつけない強さ」や「勝者がすべてを取る構造」を意味します。
しかし、ピラティスの現場ではどうでしょうか。
クライアントは、
人生のフェーズによって変わります。
身体の状態も、価値観も、環境も変わっていきます。
誰かを囲い込むことも、
市場を支配することも、
本質ではありません。
ピラティスで起きているのは、
排他的な独占ではなく、関係性の積み重ねです。
・この先生だから続いた
・この場所だから、自分の身体と向き合えた
・ここで、動くことが怖くなくなった
そうした感覚は、
広告や価格では生まれません。
小さな市場とは、「年齢」や「性別」だけではない
よく「ピラティスは30〜40代女性のもの」と言われます。
確かに、そうした側面もあります。
けれど、スタジオピラティスリムーブが向き合っているのは、
単なる年齢や性別ではありません。
・これまで一生懸命、誰かのために動いてきた人
・身体の変化に、少し戸惑い始めた人
・もう一度、自分の身体を信じたいと思っている人
人生のどの地点に立っているか
そこにこそ、「小さな市場」があると感じています。
10倍の改善とは、派手さではない
「10倍の改善」と聞くと、
最新メソッドや目新しいエクササイズを思い浮かべるかもしれません。
でも、ピラティスにおける10倍は、もっと静かなところにあります。
・動きを急がせないこと
・すぐに答えを与えないこと
・身体が理解するまで待つこと
時間はかかります。
効率もよくありません。
それでも、
その人の中に残るものは、確実に深くなっていきます。
スタジオピラティスリムーブが目指していること
私たちが大切にしているのは、
- 流行に左右されないこと
- 基本を誤魔化さないこと
- 長く続けられる身体づくりを支えること
そして何より、
「長く通っていただける関係」を築くことです。
たくさん来るスタジオより、
長く続くスタジオでありたい。
それは、拡大を目指さないという意味ではありません。
深さを選んでいる、ということです。
独占とは、最後まで続けられる在り方
ピラティスにおいての独占とは、
市場を制することではなく、
「この人にとって、ここが必要であり続けること」
だと、私たちは考えています。
競争から一歩距離を置き、
比べることをやめ、
基本に立ち返る。
その積み重ねが、
結果として「代替されにくい場所」をつくっていく。
それが、
スタジオピラティスリムーブの考える、
ピラティスの在り方です。

まずは体験!













