ピラティスという仕事を通して、大切にしていること

ピラティスという仕事を通して、大切にしていること
ピラティスを教えるということは、単に体の動きを伝えることではありません。
その人が持つ「可能性」を信じ、「変わっていける」という希望に寄り添うことだと私は思っています。
ネットや情報が溢れる今、効率や成果ばかりが求められがちです。けれど本当に大切なのは、感謝の気持ちを忘れず、目の前の人を信頼すること。そして、誠実であること。
ピラティスの指導も同じです。派手な言葉やアピールよりも、静かに誠実に続けていくことが、お客様の信頼を育み、結果として身体の変化につながるのだと思います。

昔、小学校で教わった「あいさつをする」「約束を守る」「人の話を聞く」――
そんな当たり前のことが、実はピラティスを教える現場でも一番大切なことかもしれません。
不義理をすれば信頼はなくなり、結果としてセッションも意味を失ってしまいます。
だからこそ、指導者である私たちが、自分の態度を見直すことが常に求められるのです。
また、スタッフとの関係も同じです。管理する・指示するという感覚ではなく、共に育ち合う仲間として向き合いたい。私は「マネージメント」よりも、「プロデュース」の意識を持ちたいと考えています。
スタッフが働きやすく、安心して挑戦できる環境を整えること。それがスタジオの空気を作り、やがてお客様の居心地の良さにもつながっていくのです。
「どう見られるか」よりも、「誰かの役に立てるか」に目を向けること。
自分が愛されたいと願うより、まず誰かを思いやること。
ピラティスの時間も、人との関係も、実はそんな小さな積み重ねの中で育まれていくのだと思います。
私たちは、完璧ではありません。ときに嫉妬したり、自信をなくしたりすることもあります。
でも、そんな人間らしさを受け止めながら、誠実に、地道に向き合っていくこと。
ピラティスのレッスンで、お客様の姿勢や心が少しずつ整っていくように、私自身もまた、自分のあり方を整え直していきたいと思っています。

性格や立場は定数ではなく、常に変わっていくもの。
人は期待されることで育ち、自分の思い込みを超えて成長できる。
だからこそ、ピラティスのレッスンでは「あなたならできる」と信じる気持ちをこめて伝えています。
ピラティスを通して、人の内面にある「力」を引き出していく――
それが、私がこの仕事を通して大切にしていることです。