ピラティス指導者としてのプロフェッショナリズムとは

ピラティス指導者としてのプロフェッショナリズムとは
〜安全と信頼を築くために〜
ピラティスを教えるということは、単にエクササイズを伝えるだけではありません。
お客様の身体に触れ、信頼関係を築き、安全で効果的な場を提供する専門職として、私たちには高い職業倫理と責任が求められます。
ここでは、ピラティス指導者が持つべき「プロフェッショナリズム」について、あらためて考えてみたいと思います。

安全な環境づくりが、すべての基本
まず大切なのは、安全なワークスペースの整備です。
機器やプロップスの定期点検、通路の安全確保、緊急時の対応マニュアルの整備などは、すべてクライアントの安心に直結します。
また、地域特有の災害リスク(地震、水害、火災など)や犯罪リスクを理解し、適切な備えをしておくことも、
プロとしての責任です。
クライアントと自分自身を守るために
- 指導者が賠償責任保険に加入していること
- 正規の事業ライセンスを保持していること
- クライアントとの契約にあたる書類(同意書・インテークフォーム・報告書など)を整えておくこと
これらは、クライアントを守るだけでなく、指導者自身の信頼と将来を守る行動でもあります。
タッチとコミュニケーションの配慮
ピラティスでは身体に触れて指導を行うこともありますが、タッチや言葉遣いは、時に誤解や不快感を生むこともあります。
だからこそ、信頼関係を築いたうえで、必ず許可を得ること。
相手が安心して受け取れるように、常に敬意をもって接することが大切です。

プロとしてのふるまい
- 私的な感情や話題をセッションに持ち込まない
- 他のインストラクターと協調する姿勢
- 個人情報の保護の徹底
- 身だしなみや言動に責任を持つ
- クライアントへの丁寧なフォローと観察
そして何より、自分自身が学び、成長を続けること。
「資格を取ったら終わり」ではなく、それからが本当のスタート。
クライアントの身体と人生に寄り添う立場として、自分を磨き続ける姿勢が求められます。

私自身の想いとして…
お客様から安くはない対価をいただいている限り、やはり「プロ意識」は欠かせないと思っています。
お客様とは対等である一方で、その対価に見合うだけの価値を、自分自身が提供できているかどうか。
常に問い続け、磨き続けることが、指導者としての成長につながるのではないでしょうか。
プロ意識のあり方は人それぞれ違ってよいと思います。
けれど、こうして自分の軸を見つめ直す時間は、きっと自分の未来にとっても大きな意味を持つはずです。
そして、私が考える「プロ」とは
「プロとは、知識や技術があるだけではなく、信頼され、責任を持ち、成長を続ける人。」
- 結果だけでなく、過程にも責任を持てる人
- 相手に安心と信頼を与えられる人
- 感情に流されず、自分を律する人
- 学び続ける姿勢を忘れない人
- 自分のスキルや価値を、人のために使える人
つまり、スキルを持ち、信頼を得て、成長し、人の役に立ち、
正当な報酬を得る人がプロフェッショナルなのだと私は考えます。

プロであることに、完璧さは必要ありません。
でも、自分の価値に責任を持ち、自信を持ってお客様の前に立てる自分でありたいと願う姿勢こそが、
プロの証だと思うのです。