ピラティス指導に活かすテンセグリティの概念

ピラティス指導に活かすテンセグリティの概念

ピラティスを指導する中で、クライアントの動きを見ていると、「力を入れすぎて動きが硬くなる」「特定の部位だけに頼ってしまう」といった課題に直面することが多いのではないでしょうか。そのようなとき、体を“部分”ではなく“全体”として捉える視点が非常に重要になります。その理解を深めるための鍵となるのが、「テンセグリティ構造」という考え方です。

テンセグリティとは?

テンセグリティ(Tensegrity)とは、「Tension(張力)」と「Integrity(統合)」を組み合わせた言葉で、張力と圧縮力のバランスによって安定する構造のことを指します。建築やデザインの分野でよく見られる構造ですが、実は人間の身体も同じ原理で成り立っています

私たちの体は、単に骨格が積み重なっているのではなく、筋膜や筋肉の張力が骨を適切な位置に保ち、全身のバランスを整えています。そのため、一部の筋肉だけに頼ったり、特定の関節だけを使いすぎたりすると、全身のバランスが崩れ、動きが硬くなったり痛みにつながったりすることがあります。

ピラティスとテンセグリティの関係

ピラティスでは「コアの安定」を重視しますが、それは単なる腹筋の強化ではありません。全身の張力のバランスを整え、無駄な力を抜きながら効率的に動くことが、本当の意味での「コアの安定」につながります。

例えば、クライアントが脚を持ち上げるエクササイズで股関節ばかりを使ってしまう場合、コアの安定と足裏の張力を意識させることで、無駄な力を使わずに軽やかに動けるようになります。肩に力が入りやすいクライアントには、背骨や肋骨の動きを意識させることで、自然と肩の力みが取れることもあります。

テンセグリティの視点を取り入れた指導

テンセグリティの概念を理解し、ピラティスの指導に応用することで、クライアントの動きの質を向上させることができます。

  1. 「力を入れる」ではなく「全身のバランスを整える」意識を持つ
    • ただ筋力をつけるのではなく、全身の張力のバランスを考えた指導を行う。
  2. 一部の動きが全身に与える影響を観察する
    • クライアントの「動きのクセ」を分析し、どの部分の張力が過剰なのか、不足しているのかを見極める。
  3. コアの安定は「固めること」ではなく「しなやかさ」を生み出すこと
    • 動きを制限するのではなく、適切な張力のバランスを取ることで自由な動きを可能にする。

指導者としての気づき

私たち指導者は、クライアントに「もっと筋力をつけなければ」と思わせるのではなく、今ある身体の可能性を最大限に活かす方法を伝えることが重要です。テンセグリティの視点を持つことで、「なぜこの動きがぎこちないのか」「どうすればもっと自然な動きになるのか」という疑問に対する答えが見えてくるはずです。

ピラティスは単なるエクササイズではなく、体の本来のバランスを取り戻し、動きを最適化するメソッドです。テンセグリティの概念を取り入れた指導で、クライアントがより自由でしなやかな動きを手に入れるサポートをしていきましょう!

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