インナーユニットとは?
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ピラティスにおいて重要な概念の一つである「インナーユニット」。これは、腹横筋・骨盤底筋・横隔膜・多裂筋の4つの筋肉が連動して働き、腹圧を高めることで体幹の安定性を生み出すシステムのことを指します。
インナーユニットの難しさ
インナーユニットを適切に働かせることは、言葉で説明されても分かりにくいものです。
- 実際に使えているのかどうかが分かりにくい
- 感覚的にしか分からないことが多い
- 「入っている」と言っても、それが主観的なものである場合がある
- 本当に働いているのかどうかを確かめることが難しい
また、「インナーユニットが入っている」と言っても、単に言葉で表現しているだけで、実際には適切に働いていないこともあります。
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インナーユニットの正しい見極め方
主観的な感覚だけでなく、以下のようなポイントを確認すると良いでしょう。
- 動きが安定しているか → 体幹がブレず、スムーズな動きができているか。
- 見た時に美しいか → 余計な力みがなく、しなやかで整った動きになっているか。
- 骨盤が安定しているか → さらに、肋骨や肩甲骨の安定性も確保できているか。
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インナーユニットの感覚を養うために
インナーユニットをしっかりと働かせるためには、いくつかのチェックポイントがあります。
- 骨盤底筋群は恥骨についているため、内転筋の感覚があると働きやすい。
- 横隔膜は呼吸を司るため、呼吸が深く行えていればOK。
- インナーユニットは深層筋を使うため、自分の内側の感覚(集中できているかどうか)も大切。
- 動きを大きくするよりも、安定性を意識することが重要。
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インナーユニットが分かりにくい人へ
「インナーユニットが使えていない」と感じる方も多いですが、その場合、いきなり「もっと入れろ!」と無理に意識しすぎるのは逆効果です。
- できる範囲で少しずつ感覚を養っていくことが大切。
- 姿勢に歪みがあるとインナーユニットは働きにくい。
- まずはニュートラルポジションを意識することが大事。
- 鍛えることで少しずつ分かるようになってくる。
インナーユニット ≠ インナーマッスル
インナーユニットを「インナーマッスル」と混同してしまうことがありますが、これらはイコールではありません。インナーユニットは、4つの筋肉が連携して働くシステムであり、単なる「内側の筋肉」とは異なります。
ピラティスでは、このインナーユニットをしっかり機能させることで、より安定した動きと美しい姿勢を手に入れることができます。焦らず、自分の体の状態を見ながら、少しずつ感覚を養っていきましょう。