正しい姿勢
Hideko.K
正しい姿勢、簡単にいうと骨の並びがまっすぐであること。これは、たびたび指摘されるテーマです。たしかに、ピラティスはそれを目指していますが、「本当に正しい」という状態を百点目指さなければならないのでしょうか？
私はそうは思いません。全てにおいて「正しさ」を目指すことも重要ですが、そこに固執する必要はないのではないでしょうか。
私は「60%」で十分だと思います。私たちの体は自然なものであり、完全な常態を保つことは難しいのです。不安定で不定量なことが自然な事態です。そのため、体は時に歪んでいくのですが、これは「動く」ことの結果と言っても過言ではありません。
良い姿勢を保つという事態を、動かない状態を保つ、それを私たちは24時間続けることはできません。学術的に、骨の分析や動きの分析は進んでいますが、その分析結果で描かれた理想像にたどり着けない人が「失敗」ではないはずです。
人間は極端に偏りがちな存在です。これこそ、私たちは自分の中のニュートラルを見つけることが重要なのです。まるでヤジロベエのように、ゆれながら最良な点を探し続ける。これが、人間の本質に似ているのではないかと思います。
他人に生かされている恩恵を感じながら生きる。この態度が幸せを抽象し、ピラティスの視点にも通じるのではないか。これは、ピラティスさん自身が言いたかったことなのかもしれません。
私は、体の解剖学的、また運動生理学的な知識を、その人の体を治すためではなく、怪我をしない、気持ちよく動くために用いることが最も重要だと感じています。私は、運動指導者であり、その運動が怪我をすることにならないように気持ちよく動いていただくことを常に気をつけ、考えて指導しています。
ただしいことを目指しながらも、たまには自分を許してあげる。これが、健康で自然なライフスタイルを続けるコツだと思います。
