お客様と良いレッスンができるために
ピラティスの指導者として大切なことは、クライアントの体だけを見るのではなく、その人の「人生そのもの」にも目を向けることです。どのような生活を送ってこられてきたのか、どのような考え方で何を大切にされているのか。そして、これからどんな自分になりたいのか――そういった背景や価値観を理解しようと努める姿勢が、指導の質をさらに高めてくれると信じています。
もちろん、すべてを深く知ることは難しいかもしれません。しかし、大まかでも相手のバックグラウンドや目指す方向性を共有しようとする姿勢は、クライアントを理解しようとする第一歩です。そのような関係性があるからこそ、互いに尊重し合い、心地よいコミュニケーションをとりながらレッスンを進めることができるのです。
理想的なレッスン環境とは
ピラティスのセッションは、単なる「運動指導」の場にとどまりません。一人ひとりが自身の体と向き合い、より良い方向に進むためのサポートを受ける場でもあります。そのためには、指導者自身がクライアントを「個人」として尊重し、体だけでなく心にも寄り添うことが求められます。
例えば、クライアントの「こうなりたい」という願望を理解することで、その目標に向かう具体的なエクササイズを提案することができます。また、過去の経験や生活習慣からくる癖や不調を汲み取り、それに配慮したアプローチを行うことで、クライアントの信頼を得ることができるでしょう。
指導者としての在り方
指導者にとって、クライアントの体の状態を正確に評価し、それに適した指導を行うことはもちろん大切ですが、それ以上に「その人らしさ」を尊重することが重要です。クライアントがリラックスし、安心して自分の体と向き合える環境を作ることは、ピラティスを続けていくうえで欠かせない要素です。
相手を深く理解しようとする姿勢や、相手の人生に寄り添う心を持つことで、単なる指導者とクライアントの関係を超えた、良好なパートナーシップを築くことができるでしょう。それを私たちは目指しています。常に安全で心地よい場所。そんなスタジオにするために努力しています。
最後に
ピラティスを通じて得られる成果は、体の変化だけではありません。クライアントが「自分らしく生きる」ための道をサポートするのも、指導者の大切な役割です。そのためには、体と心の両方に寄り添い、一人ひとりの人生の一部としてより良い関係性を築いていくことが欠かせません。
ピラティスのレッスンが、皆さんにとって単なる運動の時間ではなく、自分を大切にする時間となることを願っています。