姿勢について
姿勢について考える
私たちの体は硬い骨と伸び縮みする筋肉とその他の臓器などでできています。それらをバランスよく配置し、下から上に向かって成長していきます。が、大人になるとその成長が止まり、重力が常にかかった状態で生活します。すると、伸びるパワーは失われがちです。
一般的に「良い姿勢」とは、骨の配列が整い、体がまっすぐな状態を指します。しかし、実際のところ、完璧な姿勢を持つ人はほとんどいません。なぜなら、私たちの体は動きによって常に姿勢が変化し、歪むものだからです。
そもそも、人間の骨は完全に左右対称でまっすぐについているわけではありません。右と左で微妙に異なり、それが個々人の特徴でもあります。だからこそ、万人に共通する「正解の姿勢」というものは存在しないのです。その人自身にとって最も自然で心地よい状態、いわば「ニュートラルな姿勢」を見つけることが大切です。
正解を探さない姿勢
ピラティス指導の場でも、「これが正しい姿勢だ」と指導しがちですが、それが必ずしもすべての人にとってのベストとは限りません。指導者として目指すべきは、個々のクライアントにとって最適な状態へ導くことです。そのためには、体を動かすことが必要不可欠です。
動きがなければ、体がどのような状態にあるかを感じ取ることは難しいものです。
シーソーや振り子が揺れ動く中でバランスの取れたポイントを見つけるように、私たちの体も動きを通じて最適な状態を探ります。
じっとして固めるのではなく、動きの中でニュートラルな状態を見つけることが重要だと考えています。
グラグラの中で見つかるバランス
「良い姿勢」とは、骨が固定された状態ではなく、揺れ動く中で自然とバランスが取れたときに生まれます。それは無理をせず、良曲とも言える硬いその骨と伸縮性のあるそして、また柔らかい他の組織で成り立っていることを理解し、その人の今ある状態を受け入れながら成り立つものです。体を固めず、自然な形でバランスを取ることで、その人にとっての「良い姿勢」が実現します。
姿勢を考えるとき、動きの中で自分自身のニュートラルな状態を見つける楽しさをぜひ感じてみてください。それは振り子やシーソーで遊ぶような感覚ととても似ているかもしれないと私は、思っています。